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2021.1.22 薬局・介護

社会福祉士として独立開業!手順とポイントを解説。

社会福祉士が開業を志したとき、何をしたら良いのでしょうか。理想や意欲だけでは難しいことがたくさんあります。展望と課題をしっかりと整理して、独立に必要な手順とポイントを把握しましょう。


1.介護福祉業界の現状と社会福祉士の将来性


少子高齢化先進国である日本の介護福祉業界は今、どのような状況なのでしょうか。団塊の世代が大量に超高齢化する社会構造において、福祉の現場の将来性を見てみましょう。

介護福祉業界の現状
介護福祉業界は、高齢者の増加に伴い今後も需要の増大が予測されます。また、厚生労働省が2015年に公表した『2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)』によると、2025年度の介護人材の需要見込み253万人に対し、人口推移などから予測される介護人材は215万人で、約38万人分の人材不足が予測されています。
慢性的な人手不足・人材育成困難・高い離職率・現場の進まない処遇改善が課題として指摘されており、この問題を内包したまま、広がり続ける業界規模を支えていけるかは多少疑問符がつくところです。
専門性が高く知識も必要な業界ですが、直接人に係わる仕事ならではのやりがいや充実感は他に比して大きいものがあります。
出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088998.html

社会福祉士の将来性
社会福祉士の需要が、今後増えると予測される3つの要素があります。

① 「総超高齢化」社会の到来
2025年には「団塊の世代」が75歳以上となる時期がやってきます。人口の4人に1人が後期高齢者という、一億総超高齢化社会がいよいよ目の前に迫っています。介護・医療・社会保障など様々な分野で、人手不足と機能不全が頻発する状況は避けられないでしょう。高齢者に寄り添い、現場を交通整理する社会福祉士の仕事は、今後ますます必要とされるようになります。

② 社会問題の多様化・複雑化
社会福祉士の仕事の特徴として、社会の変化と需要が直結することが挙げられます。相談分野は高齢者介護にとどまらず、障がい者支援、生活保護、児童福祉など多岐に渡ります。近年、社会の要請に応じて社会福祉士が成年後見人を務めるケースが増えるなど、新しい分野がどんどん増えています。DVの問題等、社会が多様化しそこに生きる私たちが複雑に交錯していく状況が変わらない限り社会福祉士の需要は、減少しません。

③ 地域包括ケアシステムの構築
2025年実施を目途に厚生労働省が動いている、地域密着一体型介護支援制度です。従来の介護保険制度を拡張し、専門分野同士が垣根を越え協力して、高齢者の能力を活かしつつ、地域社会で彼らを支える形態に変わります。
その時、社会問題と介護現場を熟知した社会福祉士が果たす役割は大きいと考えられています。全体を把握し、積極的に主導する役割が期待されています。また、専門家間の潤滑油としての機能が求められています。



2.社会福祉士が独立する方法は?


社会福祉士として独立するには何が必要なのでしょうか。最低限理解すべき要件を確認しましょう。

① 資格と開業条件
独立型社会福祉士として開業するには社会福祉士の資格を取得し、日本社会福祉士会に「独立型社会福祉士」としての登録申請を行ないます。下記の、名簿登録の要件を確認しましょう。

独立社会福祉士の名簿登録要件
1.都道府県社会福祉士会の会員であるもの
2.認定社会福祉士認証・認定機構により認定された「認定社会福祉士」であるもの
3.本会へ事業の届出をしたもの
4.本会独立型社会福祉士委員会主催の独立型社会福祉士に関する研修を修了したもの
5.毎年の事業報告書の提出を確約したもの
6.社会福祉士賠償責任保険等への加入を確約したもの
7.独立型社会福祉士名簿の公開に同意したもの
出典:https://www.jacsw.or.jp/08_iinkai/dokuritsu/meibo_2013_toroku.html

② 独立の形を選ぶ
独立社会福祉士の独立形態として、「個人型」と「請負型」の2つがあります。
個人型とは、社会福祉士事務所を開設し、社会福祉士としての相談業務に携わるかたわら、ソーシャルワーカーや他事業を営んでいく形です。
請負型とは、介護・医療・福祉施設や役所の中に入り、そこから委託された社会福祉士の仕事を請負う形です。

③ 開業にかかる費用
法人なら、株式会社・NPO法人など自分の事業に適したものを選んで登記します。
登記には大まかに言うと30万円くらいかかります。
登記から2か月以内に法人設立届出書を管轄の税務署に提出しましょう。
個人で始めるなら、個人事業の開業届(個人の開業・廃業等届出書)を管轄の税務署に提出しましょう。費用はかかりません。

事務所を賃貸する場合、賃料がかかります。自宅で開業すればその分はかかりません。
水道光熱費・通信費等、一般的な事務所を維持する費用はかかります。
また、周知されるまで広告宣伝費も必要になります。
事業が軌道に乗るまでは、どうしても赤字になりやすい仕事です。
運転資金は多ければ多いに越したことはありません。半年分で、180万円くらいは用意しましょう。開業に関する全てで、250万円ほどかかります。
自己資金以外、金融機関から借入して調達することも可能です。



3.社会福祉士として成功するポイントは?


事務所が継続する上で大事なことを押さえましょう。

① 経営感覚を身につける
事業を継続していく為には、収益を上げなければなりません。社会福祉士として勤めていたときは、誠実に業務をこなし相談者に喜ばれる仕事さえしていれば収入はついてきました。しかし、独立して経営者になった場合、それだけでは事業が立ち行かなくなってしまいます。自分で仕事を見つけ、安定的に収益を上げる努力が絶えず必要です。
現状を短期・中期・長期に分けて把握した、事業計画を立てて実行しましょう。
収支計画書を作って内容を理解し、実践の中で資金管理を徹底していってください。

② 人脈をつくる・市場を把握する
理想を掲げているだけでは仕事は来ません。介護施設、医療現場、役所など仕事を紹介してくれそうな場所に足を運んで人脈を形成しておきましょう。同業の集まりやセミナー、ワークショップを通じて横のつながりを広げましょう。開業してからだと遅い面もあるので、ある程度は働きながらやっておいてください。
自分が拠点を置く地域で求められるサービスを把握しましょう。やりたいことの中でより収益になりそうな部分を見つけ出し、需要に応じたサービスを確立してください。

③ ダブルライセンス
社会福祉士は、福祉に関する様々な相談に応じる専門職です。
しかし、それは法に基づく国家資格ではありますが、社会福祉士にしかできない独占業務は存在しません。
現場での認知度や絶対的必要性は低く、地位がいま一つ確立されていないのが現状です。
相談業務だけで社会福祉士事務所を営むのは一般的ではありません。
収入の柱として、別の資格等を取得して並行して事業を行うのが成功の近道です。

下記がダブルライセンスにおすすめの資格です。目指す方向性を勘案して取得を検討してみましょう。

•ケアマネージャー
•精神保健福祉士
•社労士
•行政書士
•FP
•相談支援専門員
•ホームヘルパー



4.社会福祉士として後継者になるという選択


独立型社会福祉士として事業をするには、自分で立ち上げるしか方法がないのでしょうか?

M&Aで独立開業可能
リスクを冒して開業するより、社会福祉士事務所の後継者として事務所を引き継いだ場合の方が、早く自分のやりたい目標に近づくことができます。
また、社会福祉法人や介護施設を引き継いで、社会福祉士として活躍するという方法もあります。
M&Aは譲り渡ししたい方とのマッチング次第で、最短で夢を実現できる可能性がある方法です。一度、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。



5.さいごに


ここまで、社会福祉士の独立開業について開業方法や経営のポイントなどを流れに沿って解説してきました。
今後も需要が多く将来性の高い業種ではありますが、収益の柱を何にするかがはっきりしていないと独立してやっていくことが少々難しい部分がありました。
準備を万全にして、夢を叶えましょう。

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